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2009年 08月 15日
先日、ガザの中心地で映画を観てきた。
街中のあちこちに大きな看板を掲げて宣伝している、 ハマスが製作した映画だ。 脚本はなんとハマスの最高幹部のザハール氏。 出演者は、ほとんどがハマスのメンバーとのこと。 映画の主人公は、かつて実在した人物・イマッド・アケル。 映画のタイトルも、そのまま「イマッド・アケル」。 彼はハマスメンバーであり、イスラエルのお尋ね者であり、 そしてイスラエル軍との戦闘により93年に命をを落とした、 カリスマ的な人物だ。 エンターテイメントには 「エロとバイオレンス」 が必須だが、 この映画にはほぼ10分おきにバイオレンス・シーンがあり 兵士や入植者といったイスラエル人たちが血祭りにあげられる。 そのたびに観客は拍手喝さい、大喜び。 そして必ずそのシーンの最後には、 イスラエル人の血まみれの死体がスクリーンに映し出される。 ちなみにもう一方の「エロ」 は皆無なのは言うまでもない。 にしても、イスラエル人がこの様を見たら、どう思うのかな。 「彼らは映画の中でではなく、実際にパレスチナ人を 殺し続けている。それを受け入れ続けている。 パレスチナ人が映画の中でそれをやって何が悪い?」 とはある知人の談。 ガザの友人の中では一番リベラルな男も、 「そりゃ、イスラエル人が殺されて喜ぶのは自然なことだろう?」 と冷めたことを言い放ち、僕のナイーブな困惑に首をかしげていた。 「それは、お前がパレスチナ人じゃないからだよ」 とも言われた。まさに、その通り。 当事者とヨソ者の間の、深い溝を再び見た気がした。 かつては 「武装闘争の雄」であったハマスだが、 ガザの政権を担ってからは「おとなしくなった、抵抗を忘れた」 とある層の人々から突っつかれている。 なので、「武力による抵抗の精神は未だ健在」 ということや、 かつての「華々しい過去」 を改めて知らしめるという意味では、 この時期はハマスにとってはタイムリーなのかもしれない。 ちなみに、封鎖の下で多くが厳しい生活を強いられる中で、 この映画の製作には12万ドルをかけたという。 映画一本作るのにはなんとも頼りない額ではあるが、 状況が状況である。 今日その話をした服屋のおっちゃんは、 「映画なんかにかける金があるなら、俺らにパンをよこせ!」 と大変ご立腹であった。 映画の最後には、イマッドがイスラエル軍に包囲されて命を落とすのだが、 やはり彼も血まみれの姿をしっかりと見せる。 この時は観客は沈痛な反応をするのかと思いきや、 意外や彼の死に対しても観客は拍手喝さい。 ・・・「あっぱれな殉教ぶり!」ということなのだろうか。 監督は、この映画をカンヌで上映したいらしい。 その頓珍漢ぶりを含め、そしてハマスという存在を考えるうえでは、 ある意味で興味深い映画ではある。 しかし純粋に観客として観れば、深いため息しかでない映画であったし、 ある層の人々がこういう映画を歓迎しているという事実にも、 ヨソ者として、さらに深いため息がでるのだった。 映画が終わり、どっと疲れて、よろよろと会場を後にした。 観終えた観客の顔は悲壮感が漂うでなく、大義に燃えるという風でもなく、 笑みがこぼれてて、痛快なアクション映画を観た後、という趣であった。 うーむ・・・。 後日、観客に感想を聞いてみようと思い、再び会場に足を運んだ。 二度観る気にはならなかったので、外で観客が出てくるのを待ち、 何人かに話を聞いた。 その間、ジーっと熱い視線を送ってくるおっさんがいた。 聞けば、この映画の監督であった。 (つづく)
by lusin
| 2009-08-15 06:35
| パレスチナ/イスラエル
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