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2007年 01月 17日
私は、何かとこれまでパレスチナ人の中に身をおくことが多かったのだけど、そこからは、「向こう側の敵」は、時に真っ黒に見えた。ほとんどの場合は、その顔なんか見えなかったし、まるでもう、人間ではなくて機械が見えない向こう側から攻撃してるんではないかと思えることもあった。
西岸などで、顔を覗き込める距離で向き合ってみても、多くの場合、彼らとの間には当然ながら人間的な交流なんてものはなく、無感情に、あるいは時に不機嫌に、兵士としての任務をこなす人々を目にするだけであった。そしてごくまれに、彼らとわずかばかりのコミュニケーションが成立すると、とても不思議な気持ちに襲われるのだった。 もちろん目の前で人が、その「真っ黒な機械」 に辱められたり、撃たれたり、殺されていったりすると、その相手に対して、恐怖や怒りという感情も当然のごとく生まれてくるけれども、さらに日に日に大きくなっていくのは、ある種の好奇心だった。 「彼ら」 は、何でそんなことするのだろうか、どうしてそんなことができてしまうのだろうか・・・どんな気持ちでチェックポイントで自分の父親ほどのパレスチナ人を怒鳴りつけ、罵り、酷いことをするのだろうか。どんな気持ちで引き金を引くのかだろうか、ミサイルのボタンを押すのだろうか、大切なオリーブの木をなぎ倒すのだろうか。その後、食事はのどを通るのだろうか、夜は眠れるのだろうか、親や子供や恋人とまともに向き合ったりできるのだろうか・・・?もう、それは本当に素朴な疑問であった。 イスラエル社会は、いたるところに兵士がいて、銃があって、セキュリティ・チェックだらけで、表面上はかなり物騒だけれども、ほんの少し覗き込んだだけでも、そこには自分たちのそれとそう大きくは変わらない暮らしが営まれていて、当たり前だけど、人々にはそれぞれの大切な人、愛する人がいる。そして私の知っているイスラエルの人々は、その多くが、右から左までの政治的なスタンスに関わらず、一対一で付き合えば、世界のどこにでもいるような気のいい人々だ。 ・・・とても、「真っ黒な機械」 が大勢まぎれこんでいるような社会には思えなかった。 でも実際には、大多数の若者が徴兵され、その後も予備役として毎年軍務が課されるこの社会では、彼らの多くが、占領地でパレスチナ人を蹴ったくっていた、あるいは今も蹴ったくっている、のであった。そしてある意味では、イスラエル人全員が、間接的に、そこに加担しているのであった。 その両者の姿の間に存在する、大きなギャップの中には、いったい、何があるんだろうか。 そして、やがて私の中に生まれてきたのは、「ひょっとしたら・・・自分が不思議に思っていたような「真っ黒な敵」には、ちょっとしたきっかけさえあれば、その人間性などに関係なく、誰もがなり得るんじゃないのか? もちろん、自分自身もふくめて・・・」 なんていう、かなり実感を伴った疑問であった。そしてこれは、「踏みつけられる側」 の真っ只中にいては、なかなか持ちにくい問いでもあった。 そんなところから始めた取材を、ぼちぼち進めています。
by lusin
| 2007-01-17 18:22
| パレスチナ/イスラエル
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