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2006年 08月 14日
1ヶ月前、ヨルダンからイスラエルに入国するときの国境で、不思議な検査機があった。 一見、空港にある金属探知機のようなのだけど、その中に入ると、いくつもの穴が開いていて、そこからいきなり、ブシュー!、っと、空気が噴きつけられ、たまげた。なんなのだろう、一体あれは。消毒されてるかのような感じだけど、そうでないことは明らかだ。 何かを探知しようとしてるんだろうか・・・? 自分が通過した後に、気になってその検査の様子を眺めて、係員に 「何を検査しているのか?」 と聞いたら、シッシッと追い払われた。
昨日、野暮用でガザを出た。さびしい「国境」には、私とスペイン人のNGOスタッフの二人だけであった。そしてここにも、私とは初顔合わせの検査機があった。 検査機のそばに「検査官」 の姿は見えず、離れた場所からスピーカー越しに指示が出される。スペイン人が先にその検査機に入ると、スピーカー越しに 「止まれ」 と命令され、さらに手を上げろ、と言われてバンザイをし、「動くな」 と言われ固まると、ブーンという音とともに、彼の周囲を機械が回転した。 ウワサのX線検査機とはこれだろう。 さらに彼は 「靴を脱げ」、と命令されたのだけど、スピーカーの音がこもってて聞きづらく、彼は靴ではなくシャツを脱ぎ始め、「違う!」 とお姉ちゃんに怒られ、オロオロしていた。 傍から見てると爆笑モノなのだけど、本人はまさに真剣そのもの。しかもその後、改めてしっかりシャツも脱がされ、もう一度バンザイして固まると、また機械がブーン、と回転する。ガザは今回が初めてだという彼は、「すてきな経験をした」 とつぶやいていた。 私はと言うと、なんだかよく分からないまま、その検査機を何度も何度も行ったりきたりさせられ、そのたびにブーン、とやられた。 X線なら、そんなに浴びたくないんですが。 さらに、荷物も、バッグから全ての機材を出して、一つずつ個別に検査機を通せ、と。ベルトコンベアに乗せられたカメラちゃんが、検査機の中に旅立ったと思ったらまた戻ってきて、「向きを変えろ」 との指令。 縦に置いたカメラを横に置きなおし、てなことを繰り返しているうちに、1時間近くが経つ。忍の字。 そんなこんなで何とか 「トンネル」を抜け、娑婆に出た。が、そこでまた青空荷物検査があり、やっとこさパッキングし直した荷物を、また全部引きずり出され・・・涙。 アフリカ系の女性兵士が、不機嫌そうにノートをぱらぱらとめくってみたり、フィルムをじろじろ眺めてみたり、検査の意図がよく分からない。 そのすぐ後ろで、小銃をぶら下げた私服姿の兄ちゃんと、制服姿のお姉ちゃんが、検査のことなど全く眼中にはない様子で、体を絡ませてイチャついていた。 相変わらず、ここは不思議な場所だ。 なかなか面白いのだけれど、通過した時に、毎度どどっと疲れが出る。 ここを抜けると、エルサレムまでタクシーで1時間半ほど。 予約していたタクシーの運ちゃんが、遠くから手を振っていた。「待った?」「ちょっとな」「何分くらい?」「2時間くらい」 ・・・ パレスチナ人の大らかさは、こういう時には非常に助かる。まあ、この国境で検査攻めにされている客を待つのは、慣れっこなのだろうが。 ※「素敵な体験」その1はコチラ
by lusin
| 2006-08-14 13:36
| パレスチナ/イスラエル
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