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2006年 07月 29日
先日、あるウワサが耳に入った。
その内容は、私が居候している地域の3つの建物が、爆撃されるので退避するよう警告を受けた、というものだ。警告を与えたのは、イスラエルの情報機関とのこと。 単なるウワサなのか、事実なのかは、分からない。 そして、その3つの建物の一つが、私の居候先の建物からわずか50メートルほどのところなのだ。つい先日取材したケースだが、あるキャンプの建物の住人に対して、赤十字を通してイスラエル軍から退避するように警告が入り、実際に夜中に爆撃されている。幸いというかなんというか、住民は警告に従い退避したので、負傷者はなかった。最近、こういうケースを度々耳にする。そして、退避しなかったがために、犠牲になった人々のことも。 そして、今回のケース。 どうやら、警告を受けた家の家主も、近隣の人も、退避する意思はないらしい。 居候先のHなどは、「どこに逃げろというのだ? 命はアラーに預けてる」 てな様子で、慌てる風でもない。確かに、こういう状況下で生きている人にとっては、今更なんということはないのだろう。私に対しても、「ここを離れるな。ここが一番安全だ」 と言う。 アラーのための生きる者は、強いなあ。しかし、私はアラーに命を預けるつもりもなく、彼らと同じ論理で動くわけにはいかない。当然ながら、可能な限り、予想されうる危険は避けなくてはいけない。まあ確かに、今の状況下では、どこに行こうが、何が起こってもまったく不思議はなく、あまりジタバタしないという選択も、ひょっとしたらあるのかもしれないけれど。 もしその警告が本物で、そして実際に爆撃をするとして、無人攻撃機の1,5キロのミサイルで、本当に不謹慎ながらも実際に「狙い通り」 に標的の家に当たれば、私の居候先の家にはまったく被害はないだろう。しかし仮にF16戦闘機からのミサイルなどであれば、周囲にもかなりの被害がでる。それに、そもそも、「誤爆」はイスラエル軍のお家芸だ。「誤って」、すぐそばのこの家にミサイルが飛んでこないという保障は、どこにもない。 Hは、落ち着きはらい、何度も 「悪いことは言わない。ここが一番安全だ」 と私に言った。そのあまりの迷いのなさに、一瞬こちらが迷ってしまった。しかしやはり、その警告が単なる何者かのイタズラか、あるいはイスラエルからの「心理攻撃」 なのか、はたまた本当の警告なのかが分からない状況だとしても、その可能性がある限り、そこを離れるのが、自分の立場を考えると、当然すぎる選択だ。 というわけで私は、その夜は町外れにある別の友人宅に疎開することにした。Hの家を離れるとき、「今夜、ひょっとしてひょっとしたら、この家に万が一のことがあるやもしれず、再び彼に会うことはないやも知れず・・・」 と思うと、いつも軽口をたたき合っているHとの別れもなんだか神妙なものになってしまった。 「気をつけてな。」 「そっちも。」 なんてことを言い合って、別れた。 何なんだいったい。無性に、腹が立った。 そして、疎開先の友人M宅にて。 その夜、Mの友人がそこに訪ねてきていて、コトのいきさつを話すと、彼が言った。 「昨日、うちの近所のビルにも警告が入り、実際にF16からの攻撃を受けた。2階部分にミサイルが撃ち込まれ、3階が2階に落ちていた。」 と笑っていたが、こちとら、まったく笑えない。300メートルほど離れた彼の住むビルも、建物が震え、割れたガラスもあるのだそうな。 これまた幸いと言っていいのか、住民は退避していたので、大きな怪我をした人はいなかったとのことだが。 その夜は、神経が高ぶっていたこともあり、疎開先とはいえ遠くから爆撃音が頻繁に響いていたこともあり、あまり眠れなかった。 けっこう図太いと思っていたけれど、なかなか繊細なところもあるらしい。 そして、果たして、翌朝。 Hに電話してみると、Hの地域には攻撃はなかった。「地元」に戻り、Hと再会する。 「おはよう。」 「おはよう。」 なんて言い合ったけど、昨日別れた人に、今日も会えることが、こんなに嬉しいものだとは。 にしても、一体なんなんだろう。どういうつもりなんだろう、「その人たち」は。 ここに生きている人の生活を、なんだと思ってるんだ? ・・・そんなことは、そもそも考えたりはしないか。 ちなみに、前日までの48時間で、29人のパレスチナ人が殺されている。そのうち7人が子供で、5人が女性とのこと。 まったく安全な場所から無防備な人々の頭上に一方的にミサイル撃ち込み、家を壊し、命を奪い、一体全体、何かのゲームでもしてるつもりなんだろうか?? 人間てのは、こういう存在にもなりえるのか、こういう役どころを演じることもできるのか、という驚きを、今更ながら、改めてひしひしと感じます。
by lusin
| 2006-07-29 00:51
| パレスチナ/イスラエル
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