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2006年 07月 26日
友人Aは、ハンユニスに住む、ライオネル・リッチーを髣髴させるなかなかの二枚目(?)だ。 以前会っていたときは、大学は卒業したものの、ご多分に漏れず、仕事を見つけることができずにフラフラしていた。
Aといると、必ず彼の想い人の話となっていた。どのように出会ったか、どのように人目をはばかり語り合っているか、そして、どのような困難が二人の間に立ちはだかっているか。 さらに、あらゆる言葉を尽くして、彼は彼女の美しさを私に伝えようとするのだった。ついでに、彼女に送ったロマンチックな詩の朗読も聞かされるハメに陥ることもあった。 かつて、大学で働いている彼女をこっそり紹介してもらったことがあるが、人目を忍ぶ恋、こっちもなんだか周囲に悟られまいとドキドキした。彼の描写から思い描いていたような絶世の美女ではなかったけれど、なかなか人のよさそうなお嬢さんであった。 そして、その恋は、「禁じられた恋」であった。Aの家族は、遠くジェリコからやってきた難民で、彼女の父親はA曰く、「今時珍しいほどに偏狭な男」で、自分の娘が難民と結婚するなどもっての他、という考えの持ち主とのことだった。 先日、そのAに久しぶりに会った。3ヶ月前、幸運にも大学で講師の職を見つけたとのことで、おめでとう、と言ったのだけど、あまり彼の表情は明るくない。 どしたの?と聞くと、 「俺の愛は終わった」 と遠い目をする。 ああ、そうか、やはりダメだったか。 「彼女が、他の男と婚約してしまったよ。」 あらら・・・なんだか、明治大正の話を聞いているようだ。 「彼女の父親は、生粋のハンユニスの街の人間でないと、娘を嫁がせることはできないの一点張りだ。俺のような、難民の家系とは、関わりたくないとさ。」 彼は以前から、いかに自分が彼女だけに一途に愛を注いでいるかを、切々と私に訴えてきた。よそ者の私にそんなことを訴えられても、その禁じられた恋の成就にはなんの足しにもならないのは明らかだが、この社会では、そのような恋バナを気軽に人に話せるものではないらしく、聞いてもらえるだけでも、気が楽になったのかもしれない。 で、その最愛の女性が他の男と婚約してしまったのだが、これがまたこの手の話の定番というか、相手の男がろくでもない人間で、決して祝福できそうもない相手なのだそうだ、彼いわく。 彼が沈痛な面持ちでつぶやく。 「俺は、現実的になるよ。」 うーん、なんと言っていいのやら。 「人を愛するってのは、現実的なことではないの?」 アラブでは、こういうこっぱずかしい事を、平気で言えてしまう。場の空気というのは、実に恐ろしい。 「この社会では、そのとおりだ。」 と彼は言った。 そうか。では、ヨメさんは、これからどうやって探すの? 親が選んでくる相手を待つ? 「いや。自分で探す。」 「どこで?」 「じつは、もう目をつけている相手がいるんだ。」 おお、なかなか立ち直りが早いではないか。聞けば、その相手というのは、始めたばかりの講師の職の、「教え子」だ。 いいねえ、いいねえ。で、どんな子? 「うーん、いろいろいるからなあ。」 いろいろ? 1人じゃないの? 「いや、10人いる。」 たまげた。 二ケタの女性に目をつけているとは。 しかも、ご丁寧に彼はその10人を「グループA」と、「グループB」に分けていると言う。前者は、ルックスも知性も◎、後者はルックスは◎だけど、中身はちょっとおバカさんな子。 前者が4人、後者が6人。 「・・・ 一人の女性を愛するのが真実のナンタラって、いつも言ってなかったっけ?」 「俺は現実的になるんだ。」 だから何なんだ、いったい、その「現実的」ってのは。 失恋して、彼の中の何かが壊れてしまった。 箍が外れるというのは、まさにこういうことを言うのだろう。 その後は、現在ヨメさん候補ダービーで先頭を走る女性の話となった。彼女は、緑色の魅力的な目をしていて・・・云々。 「うーん、人は変わるもんだなあ。」 「まあね。 でも、泣いてるよりは、いいだろう?」 その通り。 そして、いつかクラスに遊びに来てくれ、と招待された。「日本人の視点で」、何人かの候補をジャッジしてくれ、とのことだ。 何を期待しているのかは分からないが、まあ、誘いには乗らなくてはいけない。 それにしても、まさかガザでミスコンの審査員をすることになるとは思わなかった。 ではでは、緊迫の続報を乞うご期待、ということで。
by lusin
| 2006-07-26 03:05
| パレスチナ/イスラエル
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