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2006年 07月 23日
銃撃された助手のMが、今日退院した。傷の治りも、今のところは順調のようで、ひとまずは、ほっと一息。
病院では、大勢の親族友人が24時間体制で彼を取り囲み、いつもバカ話をしている、トランプに興じている、何かを食っている、ボケーっとしている。 ある日など、「彼らがうるさくて、ほとんど眠れなかった。」とのこと。なんのための入院なのだか。「面会時間」などという洒落たものは、ないらしい。 それにしても、この助手のM,まったく困った患者であった。いつも煙草をスパスパ吸ってるし、病院の食事は「こんなものは食えん」 と、ヨーグルトだけをひょいと取ると、後はつき返す。お見舞いにくる奥さんの愛妻弁当しか食べない。友人に言いつけて、病院内をベッドごと徘徊する。彼が自分の病室にいるのを見たためしがない。「モバイル、モバイル。」 と喜びながら、夜中には病院の中庭に乗り付けて、芝生の上で一服。 まさに、やりたい放題。 「ここは、何でもアリ。」 と言い切り、マイルールを貫徹している。 「俺は、レジスタンスだ。病院の中であろうと、俺は自由だ。」 と言い放ち、彼はニヤリと笑った。 アホか、君は。 自分を治療してくれる医者に抵抗運動をしかけてどうする。頼むから、病院の指示に従ってくれ。 ある看護士からは、「もう、あなたは私の患者ではない。」 と見放されたらしい。M曰く、「そんなヤツは放っておけばいい。」 とのこと。 うーん、彼がここまで骨のある(?)男だとは知らなかった。 も少しまじめな男だと思っていたが、環境が変われば、違った側面が見れるもんだな。 ところでMはなかなかの人気者のようで、彼のもとには入院患者仲間もちょくちょく遊びにくる。その中に、おかしなおっちゃんがいた。 休養入院のような様子で、元気なもんだから、病院内をいつもフラフラしている。 彼いわく、「人は俺をダウリ(インターナショナルの意)と呼ぶ。なぜなら俺は世界を知っているからだ。」 とのことだけど、どう見ても、人は呼ぶ、というよりは、無理やり言わせているようにしか見えない。 世界を知っている、とのことなので、聞いてみると、どうやら彼はかつてカイロにいたらしい。 他には? 「何が?」 他の国はどこへ? 「エジプトだけだ。」 エジプトを見て世界を語る男。エジプトは、ガザの隣町ではないか。 そして、エジプトに行った理由と言うのは、治療、とのことだった。撃たれたり、ミサイルの破片を受けたり、大変だったとのことだ。 彼はファタハ系の武装組織のメンバーとのことで、「今はこんなところでバカ話をしているが、いざと言うときは、こうだ!」と言って、マスクをかぶり、銃を構える身振りをした。ついでに、ほふく前進まで始めた。一体どんな入院患者なんだろう、この人は。 胡散臭そうな目で私に見られているのに気づくと、「信じないのか? 俺がアルアクサーのメンバーだということを。」 と言い、よし、じゃあ、証拠を見せてやろう、と言って、どこかに電話しだした。20分ほど経つと、家族と思しき青年が、カラシニコフ銃を持ってきた。 これが俺の銃だ。見てろよ、と言うと、分解を始め、それから、手際よく組み立て直した。 うーん、なかなかの・・・。私が感心しているのを見ると、彼は満足したようだった。彼の本業は果物屋らしかった。今度遊びに来い、バナナをやるから、とのこと。 そんなこんなな入院生活、お見舞い生活なもので、退屈しなかった。それに、この賑やかさに、だいぶ救われもしていたと思う。 それにしても、この不良患者が何とか退院にこぎつけることができて、本当にほっとした。
by lusin
| 2006-07-23 04:30
| パレスチナ/イスラエル
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