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2005年 12月 29日
今年の夏に、ガザからはユダヤ人入植者が撤退し、「パレスチナ問題の大きな転換点」として、それなりに報道されたが、その後のガザはどうなっただろうか。
大多数の日本人にとっては、あまりに遠いパレスチナのことは、日々の関心から遠く外れているのは当然としても、この夏の入植地撤退騒動をたまたまテレビで見かけて、ガザのことをわずかながらも知った人もいるのではないだろうか。 そのような人にとっては、おそらくは、「どうやら、ガザはパレスチナ人の手に戻ったらしい。 なので、ガザは今、たぶん平穏な日々が・・・」ということになっているのではないだろうか。 日本の報道では、その後のガザの状況を目にすることは、ほとんどない。まあ、ごくたまに、以前と同じように、「いついつ、どこそこでイスラエル軍が空爆、パレスチナ人●人死亡」という調子で、イスラエル軍からの攻撃が淡々と伝えらることはあるけれど。 でも、そのような記事からは、いつものことながら、「そもそも今、ガザがそのように攻撃されるということは、どういうことなのか?」ということは、まるで伝わらない。「良く分からないけれど、相変わらず何やらドンパチやってるみたいだね」、という漠然としたイメージは、伝わるだろうけれど。 以前はガザはイスラエルの封鎖によって監獄状態だったし、ガザ内の移動はイスラエル軍による検問所のために常に規制されていた。そもそも狭いガザ(東京23区の半分強)の約4割が、パレスチナ人の立ち入ることのできないユダヤ人入植地で、その入植地からの銃撃で多くのパレスチナ人が命を落としてきた・・・などということを考えると、その点では明らかにパレスチナ人にとっての状況は良くなったと言える。 ガザから外の世界への出入りも「それなりに」認められるようになったし、「ほぼ」全ての土地がパレスチナ人のもとへ返還された。 しかし実際には、ユダヤ人入植者が撤退しようが、地上からイスラエル軍が姿を消そうが、ガザでは、今も決して、コトは落ち着いていない。 まず、「占領」が終わったはずのガザで、今もパレスチナ人が、「撤退」したはずのイスラエル軍の攻撃によって殺されている。違いはと言えば、現在の攻撃は、イスラエル軍がガザの地上からは姿を消したので、「空から」のみになった、ということ。ちなみに、イスラエル軍は、「イスラエル国防軍」(IDF:Israel Defense Force)が正式な名称だが、パレスチナ人は、「イスラエル占領軍」と呼んでいる。 さらに、来月1月には、パレスチナでは国政選挙があるのだけれど、それに関して、欧米がいちゃもんをつけている。欧米がテロ組織と名指ししている、ハマス(パレスチナのイスラム組織)が選挙に参加するのは認めない、とのこと。パレスチナは、予算の半分以上を国際社会の援助に依存しているが、欧米諸国は、ハマスが選挙に参加した場合のパレスチナに対して援助の減額をちらつかせている。ちなみに、ハマスは過激な武装闘争をしているものの、この1年のパレスチナにおける地方選挙において、民主的なプロセスの下で、パレスチナ人の民意によって選ばれ、多くの議席を獲得している。 パレスチナでは、ファタハ(日本で言えば自民党のようなもの)に次ぐ勢力を持っている。 うーん・・・見事な内政干渉。それは外国が決めることではないのは明らかだ。決めるのは、パレスチナ人自身。 ちなみにパレスチナ人は、ハマスが政治に参加するべきではない、などとは決して考えず、外国からのこのような干渉に対して強く反発している。 「民主主義を奉じるなら、米国は自由で公正な選挙の実施を受け入れるべきだ」 (自治政府幹部) 「決議はイスラム教徒に対する米国の節操のない敵意の表れで、この敵意がイスラム世界での反米姿勢を強めさせている」 (ハマスの選挙担当者) 「パレスチナ選挙に干渉するな」 ハマス排除求めた米下院決議に批判相次ぐ(アルジャジーラ日本語版 12月18日付) 中東に民主主義を広める、と言い、そのためには大量殺人も辞さないと意気込んだ国が、その「民主主義」とやらを自分から踏みにじってしまっていいのかな。 『 「ハマスがパレスチナの統治組織(自治政府)に参画することは米国のパレスチナ政策に重大な制約を与えかねない」 と主張し、アッバス自治政府議長にハマスか解体を求めた。』 米下院、「ハマスの出馬禁止」求める異例の決議 (日経12月16日付) とのこと。パレスチナの選挙は、アメリカの政策のためにあるのではないのだけれど。それにしても、当事者ヌキの「和平交渉」がうまくいくはずはなく、それは今までを振り返れば誰の目にも明らかなのだけど、この期に及んで、パレスチナ側の最重要アクターとも言えるハマスの排除を主張するということは、これはもう、「我々は和平を推し進める意思がありません」、と公言しているようなものだ。(あらためて公言しなくても、今までのアメリカの行動がそれを物語っているけれど・・・) 和平を進めていくためには、もちろん彼ら(イスラエルやアメリカ)の、この紛争へのこのようなとても困った関与の仕方は、停止もしくは大きく変更されるべきだし、過去の過ちはきちんと認め、謝罪するべきだ。でも、大事なのは、彼らが単に分かりやすい「悪者」ということではなくて、「この地の困難な状況を改善するための」参加者の一員 ― 大きな「力」を持っているということで、より重い、決定的な責任を持つ参加者 ― だということ。 えてして、何かの問題を真剣に解決しようとすると、「加害者」「犯人」 を探し、そこに「悪」を見つけ、それを叩くことに終始してしまいがちかもしれないけれど・・・。 そして同じく、テロ組織と名指しされているハマスも、非常に重い責任を持つ参加者の一員。いくら困った国であってもアメリカを中東和平から排除することはできないのと同様に、ハマスもパレスチナ和平では、排除することなどありえない大事な参加者だ。ハマスなどの「過激派」を排除したことは、オスロ合意の数ある失敗のひとつだった。しかも、ハマスは10年以上前の当時とは比べ物にならないほどパレスチナ社会の中に根付き、力をつけている。 そして当然ながら、ハマスもこの紛争への関与の仕方は、大きく変えていかなくてはいけない。それは、もちろん、ハマスのみでなく、全てのパレスチナの組織、さらに、一人一人のパレスチナ人も同じこと。 ・・・もちろん現状では、パレスチナ人に和平の姿を想像することすら許さない、圧倒的な力を持ったイスラエルの側の暴力を停止することが最優先の重要課題だけれども。 ********** 2005年の消滅まであと2日 ©マエダ
by lusin
| 2005-12-29 23:55
| パレスチナ/イスラエル
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