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2005年 12月 23日
おととい、宮崎から上京してきた妻子と東京で合流。それ以来、上の娘は私にベッタリ。寝ても覚めても、「おとうさーん」 てな感じ。すきあらば 「だっこー」と。要は、かなりのお父さん子。5歳でこれは、一体どうなのだろう。 まあ、いつまでもこんなことを言ってくれるわけでもなし、しかも普段はかなり我慢をさせているので、可能な限り、甘えリクエストには応えるようにしている。で、今日は娘と二人で出かけた。いつまで父と二人で出かけてくれることやら。
目的地は、都電荒川線の終点、三ノ輪橋。吉本興業の友人が作・演出・出演をする、「チンチン電車公演」 の芝居を見るためだ。 「チンチン電車公演」 とは、そのまんまなのだが、走行中のチンチン電車の中で行われる芝居だ。いつも誘ってもらっているのだが、タイミングが合わず、7回目となる今回、ようやく見ることができる。今回のお題目は、「天使の種」。 30人弱の客を乗せた車両は、三ノ輪橋をゆっくりと出発した。まずは、「案内役」 の進行により、乗客全員参加でゲームが行われる。そこへ突然、銃を持った二人組の強盗が乱入し、一気に狭い車内は「舞台」と化す。 乗客を威嚇する、すっとこどっこいな強盗たちを目にして、5歳の娘が固まっている。 そしてさらに、「乗客」 のアキバ系の女、水商売のママ、ギャル、インチキ占い師などが入り乱れ、果ては死神まで現れ、混乱した物語とチンチン電車は進んでいく。 芝居と現実の区別がつかずにパニックに陥ってはかわいそうなので、娘には事前に 「芝居とは何か」 との説明を試みた。 5歳の娘にどうやって理解させたものか、と難儀していたが、幸い娘は保育園で 「花さかじいさん」 の劇を以前やっていたので、「そんなようなもの」 と言っておいた。 ちなみに「桜の妖精」 の役だったとのこと。 物語は、グレードアップして天使になることを目指しているドジな死神の女の子が、ドタバタ劇の末になんとか天使初級に合格、ハッピーエンド、というファンタジー・コメディ。 途中のドラマは理解できなかったようだが、娘はハッピーエンドな雰囲気をいたく気に入った様子で、ニコニコ・コロコロと、とても嬉しそうであった。 私もとても楽しい時間を過ごした。 チンチン電車は終点の早稲田に到着、1時間足らずの短い物語は幕を閉じた。乗客みなで記念写真を撮り、私と娘はチンチン電車を後にした。 保育園での劇と、このチンチン電車内での「乗客たち」 によって進められるドラマは、娘の中ではどうにも結びつかず、どうやら最後まで、この車内の出来事が「劇」ということは理解できなかった様子だ。チンチン電車を降りたとき、「劇はいつ始まると?」 などと、とぼけた事を言っていた。まあとにかく、娘は前半こそ固まっていたが、後半は分けも分からず楽しんでいたようで、ほっとした。 早稲田駅を後にし、娘と二人、母校のキャンパスをふらふらと散歩してから帰った。歩きながら、娘は興奮気味に、死神ちゃんのことや、おかしな強盗のことを話しつづけていた。 ********** 2005年の消滅まであと8日 ©マエダ
by lusin
| 2005-12-23 23:30
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