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2005年 10月 06日
ムスリム・ムスリマのみなさま、イスラム圏に在住の方々、ラマダン・カリーム。 というわけで、先日から、ラマダン(断食月)が始まった。これから1ヶ月、日の出から日没まで、食事をとってはいけない日々が続く。 ちなみに、食事のみでなく、飲み物、タバコもダメ、つばを飲み込むのもダメ、そして男女のまぐわいもペケとのこと。
私はイスラム圏で迎えるラマダンは、これが4回目だ。今まで、ペシャワル、ダマスカス、パレスチナのヨルダン川西岸で迎えたけれども、そのいずれもキリスト教徒もいる場所だったので、まぎれて食事はとることができた。 が、今滞在しているガザの町では、ムスリム率はほぼ100%なので、日中食事をしていたら、非常に目立つ。 ムスリムでない私は、断食を貫徹する意思も根性もないので、どうしようか思案中。 道を歩いていると、ちびっこもおっちゃんも、「断食してるかーい?」 と聞いてくる。 日没が近づくと、断食明けの夕食のために、みないそいそと家路につく。 ぼやっとしていると、通りから人影も車も消えて、タクシーがつかまらずに面倒なことになる。 タクシーのうんちゃんも、やはり家に帰って断食明けの夕食をとるのだ。 そして、夕食の後、夜の礼拝の時間には、大勢の人々がモスクに足を運ぶ。 普段はお祈りなどしないような人も、ラマダン中には信仰心を呼び起こされるようだ。 聞けば、「お祈りせずの断食は、意味がない」 ということらしい。 ラマダンは、イスラム教徒に課された特に大切な5つの義務のうちのひとつ。 ちなみにその他の4つには、「信仰告白」「礼拝」「喜捨」、そしておなじみの、メッカへの「巡礼」 がある。 そして、この断食の基本的な意味はというと、富める者も貧しき者も、この時ばかりは、食事を断つという困難に共に耐えて、連帯意識を持とう、ということらしい。 「喜捨」の教えと共に、これは非ムスリムにもしっくりくる、「理解可能」なイスラムの教えのひとつだなあと思う。 ちなみにイスラムのこのような年中行事は、太陰暦であるイスラムの「ヒジュラ暦」 に従っているので、毎年、西暦に対して約11日ずつ時期がづれていく。 なので、ラマダンは夏になることもあるし、冬になることもある。 当然ながら、真夏のラマダンは本当に過酷だろう。 私はラマダン中のお祭り的な雰囲気は、すごく好きだ。 それに、神聖な期間なので、みな、きもち穏やかに、厳かになっているのも良い。ラマダン初日の朝、金を下ろしに銀行のATMに行くと、100人ほどの人々がやはり金を下ろそうとやって来ていた。 ラマダン中は、断食明けの夕食のごちそうやら何やら、何かと入用なのだ。 それはそうと、ATMに人々がどっとやってくるのは給料日にはあることなのだけれど、この日は何か様子が違う・・・ なんと、人々が誰に規制されるでもなく、自主的に一列に並んでいるではないか。 このような光景は、正直なところ、初めて見た。100人近いガザの人々が、黙って列を作り、自分の順番を待っている・・・。 これは、ラマダン効果か。 かつて、イスラエルの首相が、当時はまだ敵国であったエジプトの国力について聞かれ、こう答えたそうだ。 「今はまだエジプトは恐れるほどの相手ではない。しかし、エジプト人がバス停で一列に並んで待てるようになったら、手ごわい敵になる。」 などと馬鹿にされてしまったエジプト人だけれど、そのような指摘はガザのパレスチナ人にも、残念ながら当てはまるのでは・・・。 しかし、そのイスラエル首相の言葉によれば、イスラム教徒を厳かな気持ちにさせ、列に並べるようにしてしまうラマダンが1年中続けば、ひょっとしたらパレスチナはイスラエルにとって強敵になるのだろうか。 エジプト人といえば・・・ラマダン効果で人々が厳かな気持ちになり、穏やかになっているガザだけれど、今日乗ったタクシーで、エジプト人のおっちゃんとパレスチナ人のおっちゃんが、激しく言い争っていた。 どうやらお題目は、「ガザ人とエジプト人はどっちが悪いか」 というもので、大の大人が大声で相手を罵り合っている。 エジプト人のおっちゃんが 「ガザの人間は本当に悪いやつばかりだ。 イスラエルに協力している奴のなんと多いことか!」 とガザ人をののしると、ガザのおっちゃんは、「なに言ってやがる、エジプトなんて国ぐるみでイスラエルの協力者だろう? アラブの国で最初にイスラエルの旗が立ったのは、お前の国だろうが?」 と返す。 「ガザの人間は本当に態度が悪いな。どうにかならんのか!」 と吼えると、「エジプト人にはかなわない。俺はエジプトには25回行っているから知ってるが、お前とこの国は、ぬすっとばかりじゃないか!」 と返す。 ・・・ラマダン効果が利かない人も、中には、いるらしい。 が、激しい口撃の応酬のあと、激怒していたエジプトのおっちゃんがタクシーを降りるとき、「さようなら」 と言っていくあたり、微妙にラマダン効果なのだろうか。
by lusin
| 2005-10-06 09:45
| パレスチナ/イスラエル
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