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2005年 09月 18日
突然だが、以前から、異国の地で何かイヤな思いをしたり、しんどい時には、ブルーハーツの 「トレイン・トレイン」 が私の頭の中で自動的にリフレインするようになっている。 その便利な機能によって、今まで何度も救われてきた。記念すべき第一回は、もう10年ほど前のインドであった。 バラナシからカルカッタへ向かう寝台列車の中で、夜中にバックパックを盗まれた。 大したものは入ってはいなかったのだけれども、お気に入りの腰巻やら、写真のフィルムやら、日記やらは痛手であった。手元に残ったのは、哀れ、お土産に買った太鼓だけだった。 途方にくれていたら、頭の中で静かにその曲が鳴り出した。
「~ ここは天国じゃないんだ かといって地獄でもない いいヤツばかりじゃないけど 悪いヤツばかりでもない ~」 列車の中だったということもあるのだろうが、突然の、「トレイン・トレイン」。 しばらくそれに耳を傾け、やがてそれを口ずさみつつ、「・・・ そりゃそうだ。」 と至極納得したのだった。 ついでに、やっぱりブルーハーツは偉大だ、と再確認したのだった。 などという昔話を書いたのは、やはり今でも、そのフレーズはすごいな、と思わされるからだ。 ここガザだって、とんでもないところというイメージがあるかもしれないが、地獄などではなく、しんどいながらも皆それなりに日々笑いながら暮らしているし、でも、かといってもちろん天国などでもない。 イヤなヤツはいるけれど、いいヤツもいっぱいいる。 当たり前だ。 当たり前すぎて、忘れてしまうことがあるけれど。 よく、「パレスチナ人って、どうだ?」 とパレスチナ人に聞かれる。 はじめは、「いやあ、みんなナイスだねえ。」 などとちょっとムリして言っていたのだけれど、「いいヤツもいるし、やなヤツもいる。」 にぴったりとくるアラビア語を知ってからは、それで通している。 そうしたら、別にイヤな顔もせずに、聞いた当人も、「そりゃそうだ、どこだってそうだよな。」 と笑ってたりする。 こういうときは、なぜだか分からないけれど、微妙に嬉しくなる。 さらに言えば、やっぱりこの地で改めて偉大だと思うのは、言わずもがなだが、プロテストソングの横綱、Imagine を歌ったジョンレノンだ。 なにをモチーフに彼がこの歌を作ったのかは知らないけれど、いきなり、 Imagine there is no heaven とくる。ここの人が聞いたら、腰を抜かすだろう。じゃあ、殉教者はどこに行くのだ、我々は死んだらどこに行けばいいのか、と。 No hell bellow us above us only sky imagine there is no countries it isn't hard to do nothing to kill or die for and no religion too imagine all the people living for today 後半部分は、もう、パレスチナ問題、というかイスラエル問題のテーマソングにしたいとさえ思わされるフレーズだ。 国も宗教もナシ、みんな今日のために生きているんだ、ごちゃごちゃ難しいことはナシ、と。 分離壁なんて馬鹿ことはやめなさい。そのために人を傷つけることなどもちろんやめなさい。 神との約束の地だかなんだか知らないけれど、そんなもんナシ。 宗教の名の下に、国家の名の下に、もうそんな一連の阿呆はやめなさい、と。 ・・・などという無茶なメッセージが通るのならケーサツも国連もいらないわけで、でも、だからこそあえて、「想像してみな」 とストレートに呼びかけているこの歌は、やっぱり偉大だ。 実際、この地では、宗教の、民族の名の下に、躍起になって自と他を分け、「領土」 を広げようとしている人々も大勢いるし、他方では、神の名の下に、抵抗運動に命をささげていく若者もいるけれど、本とのホントのところでは、やはりみんな普通に、安心して生きたいだけなのだと思う。 誰も、心の底の底の部分では、人を殺してまで、人の尊厳を踏みにじってまで、人の土地を奪ってまで、自分の国家の領土や宗教に固執などしたくないはずだ。 そうせざるを得ないのは、それだけの様々な恐怖を感じているからなのではないだろうか。ひどく難しいことかもしれないけれど、まずはユダヤ人のその恐怖を解きほぐしていくことをしないといけないのではないか。 それに、天国に行けることになってたって、現世ではもう愛する人々とはお別れなわけで、自分から死を選ぶというのはやっぱりつらいはずだ。誰も好き好んで死にたくなんかないはずだ。 そのような行動に走るのは、やはりそうせざるを得ないほどの屈辱と絶望を感じているからだ。 安心して、普通に暮らせるようになれば、パレスチナ人は自爆などしないだろうし、もちろん武装闘争だって必要ない。 そして、当然のことながら、「普通に、安全に」暮らしていくためには、軍事侵攻なんてもってのほかだけれども、まずは、ちゃんと生活していける経済と、社会が必要なのだ。 武士は食わねど・・・という言葉もあるけれど、貧すれば鈍する、ということもある。 ・・・などとつらつらと思うことは、無宗教者の、「平和な国」(カッコつきでしか使えない時代になってしまって切ないが)の人間の大いなる勘違い、傲慢なのかな・・・。 でも、やっぱり、どこかで人間の中のある種の善を信じないことには、この地の問題の解決というのはあんまりに希望がなさ過ぎるので、当面はそう信じることにしておこう。
by lusin
| 2005-09-18 16:17
| パレスチナ/イスラエル
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