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2005年 08月 17日
ラファハにやってきた。 以前居候させてもらっていたHが、先月結婚したので、もう今回は彼の家に泊まることはできなくなってしまった。 が、隣の部屋が空いているので、そこに住まわせてもらうことに。 本来、彼の弟が住むはずの部屋なのだが、経済的な余裕がなく、まだ作りかけなので、ここに住むことはできないのだ。 窓もドアも、シャワーもない。もちろん、家具など何一つない。 が、そんなことは私は全くかまわない。 窓がないので、風通しが良く、とても心地よい。
さて、以前居候していたHの家だが、前回たずねた時は、まさに今のこの部屋のような状態であった。つまり、何もなかった。が、今回、その愛の巣をのぞかせてもらうと、まるで別の空間になっていた。 家に入ると、お誕生会のようなビラビラの飾りつけが、天井から幾つもぶら下がっていて、いきなり度肝を抜かれた。 壁にはキラキラと様々な装飾、そしてベッドルームには、お前は一体どこの貴族だ、てなゴージャスなダブルベッドが。 そして枕元には、これまたド派手な花瓶がいくつも並べられている・・・ああ、アラブ。 ここラファハの難民キャンプの質素な建物の中に、このような空間が存在するとは一体誰が想像できようか? まさにアラブ男の面子がかかった一大事業、彼は何とか結婚までに家を整えようと、必死だったもんなあ。 よかった、よかった。 そのHに、結婚生活はどう? と聞くと、 「結婚してから、世界のすべてが変わったよ・・・」 と、遠くを見つめ、恍惚とした表情になってしまった。 どう変わったのか? 「やはり、責任があるからな、家族に対して。今まではどう過ごそうと自分のことだからいい、と思っていたけれど、これからは家族を支えていかなくてはいけないよ。」 と模範解答が返ってくる。 そして驚いたのが、彼の物腰が、この短期間の間にすっかり変わってしまったこと。 以前は、いつも大声を張り上げて話していて、やかましいのでもっと落ち着いて話せ、といつも私に文句を言われていたものだ。 その度に彼は、「これが俺のスタイルなのだから、変えようがない」 と反論していた。 そしてその度に私も、ああ、そりゃそうだ、じゃあ仕方ないよな、と納得しつつ、人様の「スタイル」に文句をつけた自分を反省したものであった。 しかし。 結婚後の彼は、どういうわけか、落ち着いた、余裕のある話しっぷりをする男に変貌していた。 そこに突っ込むと、 「こうするように、妻に教育されてるんだ。」 と彼は言ってのけた。 おお・・・!? かつて、マフクーム談義で吼えたHは一体どこへ? 私が何度言っても、頑として突っぱね、「自分のスタイル」を貫いていた男は一体どこへ? しかも、ご丁寧に 「男は皆、マフクームだよ。」 などと、更に余裕のある笑みを浮かべている。 私は目が点になった。 うーむ・・・恐るべし、結婚。 こうも人を変えてしまうものなのか? ここガザの、手のつけられない悪ガキどもが、一体どのようなプロセスを経て、(もちろん例外は多々あるが)どっしりと落ち着いた「アラブの男」 へと成長していくのか。 その「ミッシング・リンク」 が常々不思議でならなかったのだが、Hの結婚を境にしての豹変振りに、その一端を見た気がした。 けれど、Hが突っ込みがいのない男になってしまうのは、とても寂しい。 早く夫婦喧嘩のひとつでもして、また楽しませてほしいものだ。
by lusin
| 2005-08-17 21:50
| パレスチナ/イスラエル
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