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2005年 05月 31日
先日、居候先の家に戻ると、部屋の様子が何か変わっている。
何だろう、とよく見てみると、風通しの良かった空間に、ガラス窓がついているではないか。 上を見ると、照明が設置されている。そしてトイレに行くと、洗面台が取り付けられている。更には、「なぞのスペース」であった部屋には、モダンなシャワーが・・・ここは、シャワールームだったのか。 そこに、Hがやってくる。 「どうだ? どうだ?」と、満面の笑みを浮かべている。先月ここにやってきたときには、この家には、見事に何もなかった。 あるのは、ゴミ箱と、マットレスと毛布くらいなものだ。 そこに、居候させてもらっていた。 この部屋は、2ヶ月後に結婚するHの愛の巣になる予定なのだが、こんなところに新妻を呼ぶつもりかいな、と本気で心配したものだ。 今では、どこから持ってきたのか、ぼろぼろの洗濯機も運び込まれ、少しずつ新妻を迎え入れる体勢が整いつつあるようだ。 シャワーに取り付ける「簡易温水器」は、私が寄付した。というか、させられた。居候の身ですから・・・。 しかし、これでもう、彼の家族の家に、頭を下げながらシャワーを浴びにいく必要もなく、いつでも好きな時に浴びられる。それを思うと、安いものだ。 ここは、建物の3階部分にあたる。 1階、2階部分には、Hの家族が住んでいる。 この建物は、もともと2階建てだったのだが、数年前から3階部分の増築が始まり、昨年、完成したらしい。 パレスチナでは、このように「小さく生んで、大きく育てられる」家がとても多い。 とくに、難民キャンプのなかでは土地がないので、家族が増えるにつれ、家は、上に、上にと伸びてゆく。5階建て、6階建ての建物も、その多くがもとはせいぜい2階建てのものだったようだ。当然、上に伸びることを前提にしているので、建物のてっぺんは、三角屋根などではなく、ただの屋上、あるいはトタン葺。 ところで、ここガザには、イスラエルが建設した、ユダヤ人入植者のための「入植地」があるが、この夏、イスラエルはその入植地から撤退することになっている。 その入植地には、白塗りの壁に赤い瓦屋根の洒落た家々が並んでいる。芝生が敷き詰められ、スプリンクラーの設置された、広々とした西洋風の庭とともに。 片や、ゆったりとした住空間を占有、享受している人々。こなた、その隣で、庭など持つべくもなく、窮屈な建物の中、大家族で押し合いへし合い暮らしている人々。 ちなみに、ガザ地区の広さは、東京23区の約6割、入植地は、その土地の40%を占め、そこに約6000人が住んでいると言われる。一方、残りの60%の土地に、約130万人のパレスチナ人がひしめきあって暮らしている。 このあまりに不均衡なコントラストは、パレスチナでの問題のある側面を、非常にわかりやすい形で象徴している。 ところで、その入植地の土地を近く「返還」される予定のパレスチナ側は、入植者の洒落た家々を取り壊してから去るよう、イスラエル側に要求している。 壊さずに、そのまま使えばいいのでは、とも思うかもしれないが、やはり、パレスチナ人にとっては、あのような作りの家は、不便なのだ。そもそも、三角屋根では上に伸びづらい。さらに、ガザの人口密度を考えると、「芝生の庭」など無用の長物。 洒落た入植者ハウスの隣に、無骨なパレスチナ人の家が建つというのも、どうもちぐはぐだ。飛ぶ鳥後を濁さず。勝手に、不法に作ったものは、ちゃんと更地にして返してください、ゼロから始めますから、ということのようだ。 入植地が返還されるとしたら、ここガザの住環境はどう変わるのだろうか。まあ、もし仮に、万が一、本当に・・・それが実行されたとしたら、の話だけれども。
by lusin
| 2005-05-31 04:11
| パレスチナ/イスラエル
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