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2005年 05月 04日
Hに誘われて、彼の親戚の結婚式へ。 敬虔なイスラム地域では、結婚式も男女別々なのでつまらないのだが、ここガザも、当然ながらそのクチである。
同じパレスチナでも、以前参加した西岸自治区のとある村の結婚式は、座席こそ別々であったが、男女は同じ会場という、「ちょっと進んだ」結婚式であった。 ちなみに、アフガニスタンでは、結婚式は当然ながら男女完全隔離、男だけで一晩中、酒もなしで踊り、歌い、騒ぐ、という一種異様な空間であった。 今日の結婚式、男性側の会場には300人ほどが集まっていた。 聞くと、全て彼の家族だと言う。 いつも、Hは「俺の家族はbig familyだ」と言っているが、実際には何人いるのか、と聞くと、総勢1万5千ほどかな、とのこと。それも、16歳以上の、IDカードを持った者のみの数。 日本とは、「家族」の概念がもちろん違うし、誇張もあるだろうが、それにしても、すさまじい。 「部族(tribe)」と言ったほうがいいんじゃないの、と聞くと、そうではなく、やはり、「家族(family)」なのだ。 彼の家族は、ガザでは名門、というよりは、「有力」な家族だ。 一緒に行動していて、彼が他のパレスチナ人と言い合いになる場面に何度か出くわしたが、日本では考えられないほどの激しい口論の中で、いつも「俺はAファミリーの者だが、何か文句あるか!?」というセリフをはさむ。 それを聞いた相手は、大抵ぴくっと反応し、「ちょっと分が悪い」と感じるようだ。 このベドウィン出身の彼のファミリーは、ガザでは最大のファミリー、しかも喧嘩っ早いことで知られている。 ちなみに、Hが誰かとやり合うのは、外国人である私を、いちゃもんをつけてきた相手から守るためだ。 こちらとしては、別にお行儀の悪いパレスチナ人は慣れっこなので、大して気にもしないのだが、彼としては同じパレスチナ人が「客人」に失礼な口をきくのが許せないのだそうな。 非常に頼りになる用心棒である。 彼は敬虔なムスリムで、人への接し方なども非常に礼儀正しい人間だが、その彼でも、家族の中に武闘派は必要だ、と言って武力の必要性を主張する。 礼儀正しく立派なだけでは、この社会では悪意を持った人間につけこまれる、それを防ぐにはやはり力の論理を使うしかない、と。 たしかに、パレスチナでは家族間の争いの話はちょくちょく耳にする。 大抵、争いの種は、女性絡み。「お前とこの若いのが、うちの娘にちょっかい出したらしいのう?」てな感じで。 ここでは、何か争いがあると、もちろん警察などには電話をせずに、「一族郎党」に電話をして、加勢を頼むことになる。 かつては棒切れやナイフ持参であったが、銃が容易に手に入る昨今は、ライフルを持って、ということもある。 と書くと、なんて物騒なところだ、と感じるかもしれないが、そこまで発展する争いは滅多にはないらしい。 手打ちの方法はと言うと、本格的に家族間の争いになった場合には、地元の有力者である仲介者を立てる。そして、その仲介者を交えて一方の家で共に食事をし、茶を飲み、全てを水に流す。 銃を持ち出すほどにエキサイトした者同士が、そう簡単に和解できるのかとも不思議に思うが、確かにHが激しく口論した後、いつの間にやら相手と話がつき、握手をし、ほほを寄せ合ってチュッチュしているのを見ると、これがこの地の作法なのかな、とも納得する。 やはり、これほど血の気の多い人々なのだから、社会の中にしっかりとした和解のシステムがないと、収拾つかなくなるだろうて。この社会を回すための知恵だろう。
by lusin
| 2005-05-04 04:07
| パレスチナ/イスラエル
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