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2009年 11月 15日
嬉しいニュースがキプロスから届いた。送り主は、ガザを出ようと三度試みてその度に失敗してきた、愛すべきガザの友人Rだ。
「3年待った末に、とうとうガザを出ることができたよ!でも、ガザを出るまでの道のりは本当に大変だった。カイロからイスタンブールへ向かう飛行機に乗っても、まだ落ち着かなかった。イスタンブールではとても素敵な2日間を過ごしたけど、そこでもまだ不安だった。やっと安心できたのはキプロスに着いてからだった。」 「イスタンブールではホテルに泊まって、そこはちょっと高かったけど、そんなことは気にならなかったし、すごく幸せだった。まるで、2000年にガザを初めて出てノルウェイに行った時のように、夢を見ているみたいだったよ、最高に良い夢をね。」彼は19歳のときに、パレスチナのNGOのツアーでノルウェーに滞在した。第二次インティファーダが始まる前の、ガザが今よりはるかに平穏で、出入りもずっと容易だったときの事だ。「ノルウェーは、すべてがきちんと整っていて、キレイで、そしてバスの中で若い男女が人目をはばからずに抱き合い、キスをしていたな・・・」 パレスチナ人の若者たちにとってそれは衝撃的だった。特に女性はひどく恥ずかしがり困惑していたが、Rは特に嫌悪感は感じなかったと言う。後に彼はロマンスを求めてメキシコ行きを企てるが、ひょっとしたらこの時に何かのスイッチが入ったのやもしれず。 それはともかく、ノルウェーでRら若いパレスチナ人たちにとって何よりも大きな意味を持っていたのは、そこには外国の入植地も占領者もいなかったということだ。こういう世界がありえる、ということを、自分の目で確かめたのだ。わずかな11日間の滞在だったが、それは彼にとって「人生のターニングポイント」だったと言う。 「今回の夢は、あの時よりもちょっとばかり長く続きそうだし、ひょっとしたら、それは永遠に続くかもしれないよ!俺はガザの外で、新しい人生を始めるつもりだから。もし、ガザの人間が僕と同じ状況にあれば、誰だってそう考えると思う。ガザでの生活は、残念ながら信じられないほど困難だし、何より、決して安全でもないからね。でも俺が本当に悲しいのは、家族をその中に残してきてしまったことだ。ガザの状況は今も十分に厳しくて、さらに悪化しようとしているというのに。」 「俺はここで1年半か2年かけて、修士課程で学ぶつもりだ。その後、ここに留まるかヨーロッパに行くかを決めるよ。君も知ってるように、兄がベルギーにいるんだ。彼がきっと、俺がベルギーに移住するのを助けてくれるよ。ところで、その兄が来月、俺に会いにくるんだよ。彼はずっと外国に住んでいたんだ。ロシア、オランダ、ベルギー・・・。彼とはもう15年も会ってないよ。閉じ込められることを恐れて、ガザには戻れなかったんだ。だから、家族が彼に会うには、誰かがガザを出なければならなかったんだ。俺がその最初の一人になったというわけだよ。」 「俺はついに、ガザを出ることができた!デンマークとロンドンにいる友達が会いに来いって言うんだ。今はもう、どこにでも行けそうな気がするよ!いつか、どこかで再会しよう!」普段は、ガザっ子らしくなく、本当に落ち着いた物言いの彼だが、この便りでは嬉しさを抑えきれないという様子だ。どれほどの喜びなのか、ちょっと想像つかないな。 もちろん封鎖されたガザの状況が変わったわけではなく、彼はごく限られた「幸運な」人たちの一人にすぎない。そして彼は以前、ガザを出た後に再びそこに戻るつもりがあるかどうかと聞かれて、こう答えていた。「監獄の中に自分から戻ろうとする人間がいるかどうか、考えてみたらわかるかもしれないな」。 それはまったく切ない話なのだが、でも、彼がずっと望んできたことが叶って、本当に嬉しい。学業だけでなく、夢にまで見た自由な恋愛も、新天地で楽しんでほしい。そしていつか、彼が心置きなく故郷に帰れる日がきてほしい。
by lusin
| 2009-11-15 00:30
| パレスチナ/イスラエル
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